レンタル彼氏【完全版】
待ち合わせ場所のファーストフードに、十分前に着いた私はそわそわしながら店の壁にもたれかかった。
先に来たの初めて、だな。
なんだかんだ、いつも伊織が先にいたもんな。
待つってこんな感じなんだ。
伊織も、私を待ってる時そわそわしたり、待ち遠しく思ったりしてくれてたのかな。
そんなことを考えてたら、少し伊織が可愛く思えて思わず微笑む。
「…何、にやついてんだよ?」
いきなり降り掛かったその声にハッとして顔を上げた。
そこには。
ずっとずっと待っていた、伊織の姿があった。
「…伊織」
「……こんなとこでにやついてんなよ、気持ちわりーよ」
「…ごめんっ」
しゅんとする私の横に来ると、伊織は私の腕を掴んだ。
「えっ?どこ、行くの?」
何も言わずにずんずんと伊織は前へ進む。
その後ろ姿は、何かいつもと違っていて。
なぜだか凄く不安になった。
伊織なのに。
伊織に思えなかった。
先に来たの初めて、だな。
なんだかんだ、いつも伊織が先にいたもんな。
待つってこんな感じなんだ。
伊織も、私を待ってる時そわそわしたり、待ち遠しく思ったりしてくれてたのかな。
そんなことを考えてたら、少し伊織が可愛く思えて思わず微笑む。
「…何、にやついてんだよ?」
いきなり降り掛かったその声にハッとして顔を上げた。
そこには。
ずっとずっと待っていた、伊織の姿があった。
「…伊織」
「……こんなとこでにやついてんなよ、気持ちわりーよ」
「…ごめんっ」
しゅんとする私の横に来ると、伊織は私の腕を掴んだ。
「えっ?どこ、行くの?」
何も言わずにずんずんと伊織は前へ進む。
その後ろ姿は、何かいつもと違っていて。
なぜだか凄く不安になった。
伊織なのに。
伊織に思えなかった。