レンタル彼氏【完全版】
俺は15の時に、未来を、人生を捨てたんだ。


絶望しかなかった、未来を更に陥れたのは自分だった。

一人の女を不幸にした俺は幸せになる資格なんてないのに。


後ろ髪引かれる思いで俺はホテルを後にした。
机にはさっき、買ったばかりの携帯と、ラブホの代金を置いて。
これでもう、泉は俺に連絡出来ないだろう?

明日には携帯を解約して、新規契約しよう。
もう、泉のいる生活とはオサラバだ。


ラブホを出てから、俺は立ち止まりそれを仰いだ。
泉がいるはずの部屋を見て。


胸が苦しくなった。


泉。

…泉。


会いたいよ。


会いたい。



攫いたい。奪いたい。

泉を俺のモノにしたい。


なあ、泉。
この感情は“好き”なの?


支配欲じゃないのか?
今まで見たことない女を、俺のモノにしたいだけじゃないのか?

俺、泉のこと本当に好きなのかな。



考えれば考えるほど、俺はわからなくなるんだ。
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