レンタル彼氏【完全版】
俺はまだ本当に小さな時に両親に捨てられた。


施設で育った俺は、本当の両親を知らない。
ただ、俺の母親は綺麗だったってそれだけ聞いていた。


新しい両親に引き取られたのは、俺が小学校を卒業した時。

見知らぬ二人は、いきなり俺の両親になった。
二人はとっても優しくて、俺を甘えさせてくれた。


母は子供が出来ない体らしく、だけど子供は欲しかったんだって。
だから、俺が来て本当に幸せだって。

俺によく言い聞かせてくれた。


父親は仕事が忙しくて、あまり一緒にいれなかったけど帰って来た時は何かしらお土産を持ってきてくれた。


俺がもっと小さければ。
素直に二人に甘えられたのだろうか。


嬉しかった反面、俺はその純粋な愛情を受け入れるのが怖かった。

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