レンタル彼氏【完全版】
次。
あいつが来たら、直接話しよう。
母さんと離婚してもらって、母さんを楽にさせたい。
もう、あいつの影に怯えなくてもいいように。
その機会はすぐに訪れた。
いつも先に眠っていたけど、話をすると決めた俺は母さんと一緒に起きていた。
最初は不思議がっていた母さんだったけど、三日もしたら慣れていて、それが当たり前だったかのようになった。
その日も、閉店して掃除をした後母さんが帳簿をつける向かいに座る。
二度と来たくなかったこの部屋にも足を踏み入れられたのは、明るい未来を望んでいたから。
母さんと過ごす明るい未来を。
貧乏でも、毎日忙しくても。
ただ、母さんがいて俺がいれば。