レンタル彼氏【完全版】
ぽたぽたと涙が、拭っても拭っても溢れる。


時間、いっぱいまで私は泣き腫らした。




私には伊織がいなきゃダメなのに。

もう、伊織以外じゃダメなのに。



こんなにも大好きなのに。



首がずきずきと痛む。



…鏡で見たら伊織の手の跡がくっきりと首に残っていた。



死ぬこと怖くなんてなかった。
伊織がいなくなる方が余程怖かった。


携帯を置いてったってことは、もう、私と連絡取る気ないってことでしょう?



こんなに身勝手に私の心の中に入り込んできたくせに、目一杯になった途端さよならだなんて。




それならば、いっそのこと殺して欲しかったよ。
伊織の手で、いっそのこと。



「…………っ、うぅ…」



声にならない声で私は泣き続けた。



もう、会えない貴方を想って。
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