レンタル彼氏【完全版】
和とマックに入って、シェイクだけ頼んで席についた。


「本当食べなくなったよねー泉」


「うん、胃小さくなったみたい」


「うらやましー。結構痩せたもんね」


「まあ、ダイエットもしてるし」


「はは、今川田先輩が泉のこと見たら告白するだろーね」


「ぶはっ!いつの話してんのよ!」


「そーやって笑えるようになるぐらいになったんじゃん」


「…っ」

和は川田先輩のこと、口に出さなかったのに。
そんな和が口にしたってことは…。

もう、出しても平気だって思ったからだろう。

だって、私は今伊織以外に興味がないのだから。


「もう、先輩なんかいいって」


「ふふ」


和は笑いながら、ポテトを頬張る。
その指をペーパーで拭きながら。

「でも、まさか泉が記者目指さないとは」


「うん…もう迷ってないんだ」


「だろうね、希望も全て出したんでしょ?」


「うん、夏休み大学見に行く」


「そっかー。私は就職だから、あまり遊べなくなるね」


「本当に。でも、遊ぼうね」


「当たり前じゃん」


にかっと笑う和に私も笑顔を見せる。
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