レンタル彼氏【完全版】
それから二時間ほどして、和と解散した。

家に到着して、私は自分の部屋に入ると机に向かった。


毎日必ず勉強をする。
大学はほぼ大丈夫だろうと言われたけど、やっぱり確実にしたいから。


まだ夏が本格的に来てないのに少し、汗ばむ。
机の横にある扇風機の電源をつけて、また机にかじりついた。



これは、伊織のためだけじゃない。
私のためでもある。

夢はずっとあったけど、ぼんやりとしてたから。



新聞部をやめる時、中島先輩は本当に泣きそうだった。

私を部長にしようと思ってたみたいで、悪いことしたなあとは思ったけど。

私の思いを告げたら、応援するよ、と後押ししてくれた。


皆が応援してくれる。
頑張れるような気がした。


順二を除いて、は。



こればかりはどうしようもないから、私は触れないでおこうと決めた。


順二が。

いつか、私より大切だと思える子が出来て。
また、笑えるようになるならその時まで待とうって。

順二からしたら迷惑な話かもしれないけれど。
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