レンタル彼氏【完全版】
私は私のことで精一杯で、今まさか伊織が大変なことになってるだなんて思ってもなくって。

それを知る時は、全てが終わってからだった。


どんなに。
どんなに。


苦しんだのか、わからない。

それを 支えたいと切実に思うのは同情じゃない。


愛情だから。



高校最後の夏休み。
私は大学のオープンキャンパスに行ったりして、絶対ここにしようと改めて決意した。


担任も、私の志望大学に少し驚いていたけど、頑張れと言ってくれた。


私はなんて周りに恵まれているんだろう。



たった、それだけに泣きそうになる。
幸せだと思えて。



高校最後の夏休みは、本当に勉強尽くしだった。
今まで、こんなに勉強したことはない。


だけど、息抜きも必要だよ!と和に誘われてプールに行ったり、花火大会に行ったり。
一応、夏は満喫した。



夏休みが終わる前日の今日。

その日もいつものように勉強をしていた。


一段落した時。
ふと思いついた。
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