レンタル彼氏【完全版】

「あ…いきなり…すみません」


そりゃ、いきなりこんなこと…困るよな。


「何か、あるのかしら？」


「え？」


「働きたい理由」


「……はい」


「そう、じゃあその話でも聞こうかしら。あちらの部屋にどうぞ」


終始、にっこりしながら私を中へ案内してくれた。

私が部屋に入る前にまあまは子供達を呼ぶと

「あんに、しょうちゃん、皆連れて花の間に行ってて」

優しく諭すように言う。

「えー？まだ遊びたーい」

駄々をこねる子供達に、また笑顔で

「今日のおやつは皆でドーナツ作ろう？」

そう言う。
すぐに子供たちは笑顔になった。


「え！ドーナツ？」


「そう、ドーナツ。
でも、その前におてて綺麗にしないと」


「うん、そうする」


「ふふ、まあまはこのお姉さんと少しお話あるからそれまで花の間で絵本読んでてあげてね？」


「はーい！」

あんとしょうちゃんと呼ばれた子が元気よく返事をした。
見た感じ小学校低学年とかだと思う。

それよりもっと幼い子がたくさんいる。


調べたけど…、両親を亡くした子供って少ないって書いてあった。


……皆、何か理由があって親の元から来た子供達。