レンタル彼氏【完全版】
暫く、私はそのことが頭から離れなかった。

考えても考えても考えてもわからなかったから。


それは、私が児童養護施設で働くまでの課題にしようと思った。


今はわからなくても、勉強を重ねていく内に、経験を重ねていく内に何かを掴めるかもしれない。
そう、思った。


まだ私が幼いだけなのかもしれない。


何か、答えが見えたら鈴恵さんに言いに行こう。
それまでたんぽぽ院には行かない。



…いや、行けない。


これがわからないってことは、働くにあたって大事な何かが欠けてることなんだと切に感じたから。



それからもがむしゃらに勉強をしたお陰で、模試ではいつもA判定をもらっていた。
受験も、そのまま力を出し切ることが出来て、無事志望大学に合格することが出来た。


和も、無事就職出来て、今日はお祝いしようと出かけていた。



お祝いって言っても、未成年だし、ファミレスだけれども。

ファミレスで二人してドリンクバーでメロンソーダを入れると、グラスを片手に持って向き合った。
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