レンタル彼氏【完全版】
「………」


「………」


「ちょっと、何か和言ってよ」


「え!私?」


「うん!やぱ和でしょ」


「じゃー無事合格と就職ってなわけで、かんぱーい」


「かんぱーい!」


グラスを合わせて、二人して炭酸を一気飲み。

私は途中でギブ。
和は余裕みたいで

「おかわり~」

なんて言いながらまたドリンクバーでメロンソーダを入れている。


それから下らないことをたくさん話して、笑いあって、運ばれたご飯を食べた後。

和が、ストローを持ったまま呟いた。


「こうやって笑い合える日も少なくなるんだろうね」

その言葉を聞いて、さっきまでバカ笑いしていた私も静かになる。


「…でも、会おうね」


「当たり前じゃん!何言ってんの!」


「ふふ、和金持ちになるからたかろー」


「うわ、まじやだ!出世払いしてもらうからね!」


「ふふふ」


いつまでも。
こうしていたい。



だけれど。

時間は当たり前のように過ぎていく。


幾度となく訪れる別れに慣れて、いつか寂しいと思う気持ちも風化してしまうのだろうか。
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