レンタル彼氏【完全版】
「ののの、野々村哲さんですよね?!」


急にガバッと、その店員に食らい付く。

びっくりしながら野々村は

「はい、そうですよ」

笑顔で頷いた。

「やべーちょー感動!俺、雑誌見てます!」


「うわ、本当ですか?!
やべっ、雑誌とか少ないページしか載ってないのに」


「毎月、見てます!出た時の服装大好きなんです!」


「嬉しいなー!あ、そのトップス迷ってるんですか?」


はっとした聖は、しわくちゃのトップスを慌てて持ち直した。
結局、聖は迷っていたトップスを辞めて野々村が二色買いしたと言っていたトップスを買っていた。


お会計をしながら聖はまたぽつりと言う。

「野々村さん、店にいるなんて感激です」


「ああ、たまに店に顔出すんですよ。
本当滅多にいないんでレアです」


「後で写メ撮って下さい」


「ははっ、もちろん」


その様子を俺は見つめていた。

野々村さん、すげー顔整ってんな。


あ、左手の薬指指輪してる。
結婚してんのかな。



洋服が入った袋を受け取ってから、聖が写メを撮っていた。
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