レンタル彼氏【完全版】
「野々村さん、俺またJUN来ます!」


「ありがとう!てか、野々村さんじゃなくて名前でいいですよ」


「え?!哲さんでいいんですか!」


「はは、どーぞどーぞ」


「やっべー」

興奮する聖を目を細めて野々村さんが見る。
それから俺に視線をうつした。


「そっちの彼も、哲でいいですからね」

そうやって、ふっと笑った。


その日の聖は、もう終始ご機嫌だった。
聖の話だと会う機会なんて、本当滅多にないらしい。

元々は店舗で働いていたけど、それも地方だからって。

ご機嫌な聖は、解散する時も、笑いながらずっと手を振っていた。
俺も軽く手を上げて微笑んだ。


それからバイクに乗って、たんぽぽ院まで向かう。


到着した時、既に皆は寝ていた。

明かりが点いてるところに、そーっと歩いて行くと鈴恵さんが机に向かって何やら書いていた。


「ただいま」

部屋に一歩足を踏み入れた俺は、鈴恵さんに声をかける。

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