レンタル彼氏【完全版】
それから暫くして、また聖から連絡が来た。
お誘いメールに俺はOKの返事を出して、いつ会うか日取りを決めた。




この日こそが、聖の復讐の始まりだった。


前回と同じように、バイクで待ち合わせ場所に向かった。
バイクを専用駐車場に止めると、聖の元へ歩いていく。


「よっ」


「伊織、おつっ」


「ははっ、なんか機嫌いいな、聖」


「わかる?実は彼女出来たんだっ」


「えっ?前に言ってた子?」


「そうそう~」

ルンルンと弾ませた声を出す聖。
そんな聖を、目を細めて見つめる。


「彼女の写メ見たい?」


「見たい見たい」


「まだないから送るよ」


「わかった」


「惚れるなよっ」


「はは、ないよ。
聖の彼女だろ?」


「まあね~」


それから彼女の話はもう出なかった。
ゲーセンに行って、また甘いものを聖が食べて。


充実していた一日だった。



帰宅して、聖から届いたメールを見るまでは。
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