レンタル彼氏【完全版】
「いい加減、俺と付き合おうよ」


携帯をポケットにしまうと、聖は腕組みをしながら言う。
まあ、これも毎度のことなので。

「好きな人、忘れられたらね」

そう返す。


それにまた聖が頬を膨らませる。
いつものこと。


聖と知り合って、一ヶ月以上が経った。


大学生じゃないくせに、うちの大学に通ってるかの如く、普通に姿を現す。


夏休み中は、暇を見ては会おうと誘われる。
もうとっくに迷惑を通り越しましたよ。


まあ、好きだ付き合え、がなければ聖と話してるの面白いし。

友達としてなら好きだった。


強引なことも本当にしなくなったしね。



尚子にはかなり勧められるけど。

あ、ちなみに尚子と学はあれからすぐに交際をスタートした。
一ヶ月記念の今日は、二人は仲良くデートみたいなので私達は二人でファミレスにいる。



………傍から見たら私達もカップル?

それは勘弁して欲しい。
いくらカッコよくても、好きにはならない。

絶対に。




意地、なんかじゃない。


本当に。
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