レンタル彼氏【完全版】
テーブル席もあって、私と聖は一番奥に案内された。
少し陰になっていて、余り目立たない場所。


席についてから、私は周りを見渡すと感嘆の声を出した。

「大人っぽい店だね」


「ああ、昔よく連れて来てもらったの」


「昔?聖まだ21なのに詳しすぎ」


「そう?」

聖は首を傾げると、メニューを私に見せた。

「オススメはこれと、これかな」


「私、あまりお酒強くないんだけど」


「まあ、一応未成年だもんね」


「まあね」


「じゃあ、弱いので。甘いのにしとくね」


「うん、ありがとう」

何もわからない私は聖に全部を任せていた。

運ばれたカクテルを見ると、ピーチリキュールの甘いお酒だった。
色どりも綺麗で、それがまた嬉しかった。


「じゃあ、いずちゃん、乾杯っ」


「乾杯っ」


聖はソルティードッグ。
チンとグラスを合わせて、口に運んだ。


「飲みやすいっ!おいしいっ」

一口飲んだ私は、あまりにも飲みやすいそのお酒に感動してそう言った。
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