レンタル彼氏【完全版】
まあ、聖も色々あるのか。
一人でそう納得して頷く。


それからすぐに聖が戻って来た。

「お待たせ」


「遅い~」


「そう?いずちゃん、酔っ払ってる?」


「…少し、イヤ、酔っ払ってない」


「ふはっ、酔っ払ってんじゃん」

けらけら笑う聖をきっと睨み付ける。
聖はうっ!と、肩をすくめた。


酔っ払ってなんかないしっ!
でも………なんか、眠いかも………?

お酒入ると、こんな眠くなるもん?




…………あ。

やばい、意識飛ぶ、かも。



そのまま、私は机に突っ伏して夢の世界に堕ちていった。



堕ちる間際。
聖の顔が微かに視界に入った。


その、口元は緩く弧を描いていた。



……………笑ってる?




……………ごめん、聖。

……約束してたのに………。

寝ちゃうだなんて………。






気付いた時。


私は知らない部屋にいた。
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