レンタル彼氏【完全版】
講義が終わって、尚子と話していたら後ろから誰かが急に抱きついてきた。

「だ~れだっ」

まあ、一人しかいないよね。

「聖…離れなさい」

抱きついて来た腕を遠慮なしにつねる。


「いでっ!!」


振り向くと、泣きそうになりながら聖は腕をさすっていた。
隣には苦笑いの学。


「……泉のバカ」


「はいはい」


「うわあ、学~泉が苛める」


学に泣き付く聖も、もうお決まりとなった。
尚子もそれを見て笑う。


「どこ、行く?」


「ん~、どうしようか」

泣き付いていた聖が、ちらっとこっちを見ると。

「………ケーキ食べ放題」

ぼそっと呟いた。


「却下」


「無理」


「何でー!?」

同時に聖に言い放つ私達。
学から離れて私と尚子の前に立った。


「行き過ぎて私、太ったし…」


「…同じく」


「二人とも全然大丈夫じゃん」


「聖は太らないから分からないんだって」


「男って本当に羨ましい」

これは女の子なら誰もがが通る切実な悩みよね。
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