レンタル彼氏【完全版】
翌朝。

いつも通りに起きて、俺は朝ご飯を食べて、鈴恵さんの仕事を手伝っていた。
時間が過ぎるのが、自棄に遅く感じる。

そわそわしながら、俺は洗濯機を回す。


家事全般をしていたら、もう大分出来るようになっていた。
一人暮らししても、問題ないほどに上達したと思う。

また、ボーッとしてたらしい俺の肩を鈴恵さんが叩いた。


ハッと、我に返りながら振り向く。


「伊織、昼御飯あんま食べてなかったけどどうかした?」


「………ああ、食欲なくて」


「あらやだ、風邪かしら…」


そう言うと、額に手を当てる。

「…熱はないわね、無理はしちゃダメよ?」


「うん、大丈夫」


「今日の夜は元気になるように栄養あるモノにしないと!」


「ははっ、ありがとう。
でも昨日グラタンだって約束してなかった?」


「あっ、してたわね。じゃあ、カレイの煮付けでも作ろうかしら」


「いいね、カレイ好き」


「ふふ、決まり」


笑いながら鈴恵さんが掃き掃除を始めた。


「……鈴恵さん、これから少し出てくる」
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