レンタル彼氏【完全版】
「なんでもな~い!」

ぷいっと顔を反らして言う。

「あっ、どーせ、甘いもん食べすぎとかでしょっ」


「違うよ~」

棒読みで否定する私の頬っぺたをつねる聖。


「いひゃい」


「ふははは、不細工っ」


「ははっ、ひへぇー(ひでぇ)」


男女、関係なく笑って話せる関係。
さっぱりしたこの感じ。


和にも会わせたいって、何度も何度も思ってるけど、中々都合がつかなくていまだに会わせられていない。


多分、初めて和に紹介した時は説教から入ると思うけどね。


聖も私の大事な友達だって、胸を張って言える。
聖も、そう思ってくれてたらいいな。



男女間の友情は成り立つものだと、本当に思っていた。


それはお互いに恋愛感情がないから成り立つものであって。



どちらかに恋愛感情があれば成り立つわけなんかなくって。


その、境界線ギリギリの所にずっとずっと聖が立っていたなんて。




知らなかった。
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