レンタル彼氏【完全版】
「俺も待ち合わせ。
一緒に待っていい?」


「もちろん!座りなよっ」


そう言うと、順二は私の向かいの椅子に座った。
卒業してから、順二とは成人式の時会った以来だった。


卒業してからの一年、二年で本当に人って成長するんだなって順二を見て思う。

順二、何か髪の毛も少し明るくなって大人っぽくなった。


私服もあまり見なかったかし、更に新鮮。


「相変わらず勉強してんだ、どう?卒業は」


「もちろん、大丈夫!優秀なわけじゃないけどっ」


「はは、来年卒業なんてもう信じらんねーよな。
早くね?」


「本当っ!二十歳越えたら早いとかゆーけど、まじだね」


「それはおばちゃんだよ」


「あっ、順二、相変わらずムカつくっ」


「ははっ」


「ふふ」



高校の時、いつもこうやって憎まれ口叩かれて、それに反論して。

そんな毎日だった。



順二と私の間にあるのは友情だと、ずっと思っていた。



それは私の、ずっとずっと勘違いだったわけだけど。
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