レンタル彼氏【完全版】
そのまま強引に部屋に足を踏み入れる。
俺の制止も聞くことなく。

呆気にとられながら、俺は扉の鍵を閉めるとリビングに戻る。


勝手にソファに座ってる二人はコンビニで買って来たのか、スーパーの袋を広げて色々出している。


「………何のつもり?」


「まあまあ」


「てかさ、こいつこんな見た目で甘いモン大好きなんだよ、ださくね?」


「はあっ?吏紀だって犬とか子供のDVD見て泣くじゃん」


「ばっか、あの良さわかんねえのかよ?」


「俺、SFかアクションしか見ないもん」


「似合わねーな」


「それは吏紀だろっ」


勝手に会話を進める二人。
意味がわからない。


まず、二人はどうしてこんな仲が良いんだ?


俺、他のSランクと挨拶だって交わさねえけど。
会ってもぺこりともしねえし。

だって、馴れ合いなんていらねえだろ?




人はいつか裏切るものなのだから。



「おい、伊織何してんだよ、座れよ」


いつの間にか、テーブルの上はお菓子の袋やお酒の缶や瓶が敷き詰められていた。
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