レンタル彼氏【完全版】
「……俺、独りでいたいから帰ってくんね?」



テーブルを見ながら俺は呟く。


二人はきょとんとした顔で見る。
先に笑いだしたのは吏紀だった。


「ぶっ、一人って暗い暗いっ!嫌でも人と知り合う機会ないとこだぜ?
まあ、女は会うけどさ。
せめて仲間ぐらい仲良くしようぜ」

それに聖も賛同する。

「そーそー、好きでもない子抱くのはいいけど、ずっと一緒にいんのストレスだよね」


「うわ、きついな、お前。
俺は女大好きだから天職だね、この仕事。
毎日楽しいわ」


「そうなの?俺、無理。
伊織は?」


「…俺?」


急に話をふられてドキッとしながら二人を見る。
二人は笑顔で頷く。


「てか、伊織モデルやってそうだよな。なんかやってなかったの?」


さっきの話の答えを言うより先に吏紀が話しだした。


「…いや、してない」


「てか、いくつ?あ、聖こいつぜってー年下だと思ってたのに俺の一つ上だぜ?」


「いや、吏紀が老けてんの。で、伊織は?」


「…………15」


俺がそう言うと、二人は固まった。
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