レンタル彼氏【完全版】
聖に送ってもらってから、部屋に入った私はベッドに寝転がった。


来年、卒業か。
早いなあ。


……久しぶりにたんぽぽ院行ってみようかな。



鈴恵さん、元気にしているだろうか。


…覚えてるかな。




私の答え、聞いて欲しい。




“可哀想じゃないの”


そう、思えるようになった答えを。




聖と会ってから、私は特に思った。



“大切に家族に育てられた”


それをひしひしと感じた。
そんな私の答えを、鈴恵さんに伝えたかった。




翌朝。


準備をした私はたんぽぽ院に向かう。

冬休みだから、大学はお休み。
たんぽぽ院にもたくさんの子供達がいるかも。



邪魔にならないようにすぐ帰らないとだな。

そう思いながら私はバイクに乗り込んだ。



今日は忘れずに持って来た手袋をつけている。
聖、本当優しいよな。


てか、三十ってのに吃驚すぎる。



若いし、全く見えない。

スーツ着てたりしたら見えるのかな?



てか、学はそのこと知ってたのかな。
年齢の話なんかしたことなかったもんな、そういえば。
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