レンタル彼氏【完全版】
川田先輩。
サッカー部のエースで、女子からの人気者。

キラキラした笑顔と、サッカーしてる姿に惚れて以来ずっと密かに片思いしていた。



報われなくたってよかったはずのに。


先輩の卒業式。
勇気を振り絞って告白しようと呼び出したのに。




先輩は来てくれなかった。


聞いた話では彼女らしき人と肩を組んでたって。


悔しかった。
気持ちをただ伝えるだけでよかった。


付き合いたいと思ってないと言えば、嘘になる。
けど、付き合えなくてもいいと本当に思っていた。
それは本心だ。



そんな淡い、幼い恋心を踏み躙られて、ぐちゃぐちゃに壊されたんだ。

その一日で。


それから恋に臆病になってたのかもしれない。


またあんな思いするぐらいなら。
そんな気持ちが心の底であったのかも。


付き合ったのだって、告白されたから。



ただ、それだけ。
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