レンタル彼氏【完全版】
お金を見ながら色々思っていると、またインターホンが鳴った。



ドキッとして、すぐにアタッシュケースをしまう。



それから慌てて玄関に向かった。



「…はい」


ガチャリと開けると、そこにいたのは吏紀だった。



「よっ、初給料日おめでとう」


「ああ、お前も」


「今日聖仕事なんだよ、だからなんか買い物いかねえ?」


「ああ、いいよ」


「よっしゃ!いくら持ってくか悩むよな」


「………」



下品な笑いを見せる吏紀。

それを曖昧に笑ってやり過ごすと、三十分後に入り口でと約束をして別れた。




簡単に出かける準備をした俺は、カバンに札束を三つ入れて吏紀の元へと向かった。



既に吏紀はいて、笑顔で俺を迎える。



「タクシー呼んでおいたぜ」



マンション前に止まっている迎車と書かれたタクシーに二人で乗り込んだ。

向かうは駅前の百貨店。



若者が立ち寄るようなファッションビルではなくて、大人が行く場所。



そこまでタクシーで行くと、ワンメーターにも関わらず吏紀は一万を渡すと釣りはいらねえとタクシーを降りた。
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