レンタル彼氏【完全版】
吏紀はすぐに通じたのか

「何があんの?」

そう問い返す。


「今なら葉っぱや、スピードまであるよ」


「…え?」



それって、ドラッグ?



「俺、スピードやりてえ」


「はっ?吏紀何言ってんの?」


「伊織、キメながらのセックスほどサイコーのモンはねえよ?」


「だからって」


「いいじゃん、やってみようよ」


「……………」




結局、俺は吏紀が買うのを最後まで見てることしか出来なかった。





寮にタクシーで戻ると、吏紀は部屋に戻る前に俺の方を振り向いて言った。



「……聖には言うなよ」


「え?」


「あいつ、たまに真面目だからな。
まあ、その代わりこれやるよ」


そう言って、俺に投げたモノ。


それはドラッグ。




「やってみたらハマるよ」


「でも、抜け出せないんだろ?」


「あはは、へーきへーき」


「……………」




じゃあ、と言ってパタンと吏紀は扉を締めた。





………手にしたドラッグ。

やるか、やらないか。




どうしたらいいかわからなかった。
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