レンタル彼氏【完全版】
公衆電話の下を探ると、ガムテープでくっついた包みがあった。
それを引き剥がして中を開ける。


………あの、ドラッグ。


それをやると、俺は今まで見た幻覚もなくなって、高揚した気分になった。


「……………」



これは、最高だ。

やめられない。


俺はそのまま、そこから動けずにいた。



ドラッグが切れるまで動きたくない。
今、この感覚がなくなるのが嫌だ。


そう、思った俺はそのままそこに座っていた。


記憶が曖昧だった俺は、どのぐらいそこにいたのかは覚えていない。


ドラッグが切れ始めた時、またやろうとした俺の肩を誰かが叩いた。


振り向くと、そこにいたのは社長だった。



「………社長…?」



社長と一緒にいたガタイのいい男に俺は殴られて倒れこむ。


「………ドラッグ、か」




殴られた拍子で俺の手から落ちたドラッグを見て社長が呟いた。



「それ、寄越せよ、早くっ」


切れそうだった俺は必死に叫ぶ。
だけど、また何度も殴られて意識を失った。
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