レンタル彼氏【完全版】
翌日、私は少し早めに出かけて聖を待った。


いつものカフェ。


通い慣れたカフェに入ると、店員に案内されて席についた。


いつものようにチーズケーキと、ホットティーを頼む。



早めに来たから、待つだろうと思っていたが、聖は意外にも早く訪れた。


カフェに入ると、聖はマフラーを外しながら私を見つけると笑顔を見せた。



それに軽く手をあげて答える私。



「さっびーな」


そう言いながら聖は私の向かいに座った。



私が頼んだホットティーは来たばかりだったから、聖の前に差し出す。


「あったかいよ」


「…ありがと」



一瞬、目を真ん丸にさせた聖は緩く微笑むとホットティーを口に含んだ。




「…あったけー」


「でしょ」


「はは、さんきゅ」


「鼻赤い、聖」


「さみーもん、外」


聖が来たなら、もう行こうかな。


私はチーズケーキをテイクアウトにしてもらうように店員に頼む。



店員がチーズケーキを持って厨房の方へ向かった。
包んでもらってる間、席で私と聖は待った。




「……いずちゃん…ついに、だな」


「うん、本当」
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