レンタル彼氏【完全版】
「…おっ、お前をからかうのを楽しみに学校にきてんだぞ!」


「………」


しまったーと言う顔をする順二。
それを見て私はこの言葉を全く違う意味で理解する。

順二、かなりの鈍感でごめん。


「ちょ、そんなに私をいじめて楽しいとか、本当に悪趣味!」


少し怒り気味で順二に言った。
順二は私の反応に、ポカンとしている。


「いや、あの私嫌味ゆってんだけど」


「え?あーそか、ふ、ふざけんなって悪趣味じゃねーし」


どこか、ぎこちない順二に気まずい沈黙が流れる。
お互い目を合わせず、黙ったままだった。


その沈黙を破ったのは私の携帯メール。




すぐにメールを開くと。


【今どこー?】


たったそれだけ。
本当に簡潔で短絡な伊織からのメールだった。


だけど、不思議と顔はニヤつく。



「……………彼氏?」


急に後ろから声がかかって現実に引き戻される。
忘れてた。
順二いたんだった。
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