レンタル彼氏【完全版】
そんなやり取りが、俺にはもう、幸せだと思った。


傷付くこともるあるかもしれない。
だけど、喜ぶこともあるかもしれない。


そう、考えたら泉と離れていた数年はただ絶望しかなかったから。



だから、光があるかもしれないとゆう希望は俺には果てしなく嬉しいものだった。


「レンタル彼氏をしてた時、本当に何もかもがバカらしく思えた」


泉は俺の言葉をただ、黙って聞いている。


「お金で買えないモノなんて何もなかった。
愛ですら買えるのかって、ただ冷めた目で見てた。
今まで客になった女は俺にあまり興味がないか、俺を心の底から愛してるか。
それだけだったから。
泉みたく、俺を知ろうとしてくれる奴なんていなかった」


俺が話すのを、泉は不安そうに見つめる。
大丈夫、君がいるなら怖くない。


「それに俺を知るよりも、自分のことを知ってだなんて言う奴も初めてだった。
自由なんかなかったんだよ、レンタル彼氏には」


「………だから、連れ出して欲しかったの?」


「え?」


意味がわからなくて、眉をひそめる。
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