レンタル彼氏【完全版】
「ははっ、ひでーな、泉ちゃん」


ケラケラ笑う伊織を私はじっと見つめた。
そんな私に気付いた伊織も私を見つめる。


「どーした?
そんなに俺のこと好き?」


「はっ?!」


余りにも動揺してる私を見て、またケラケラ笑ってる伊織。
私はかああっと頬が火照ってくのがわかった。


ダメだ、私完璧伊織のペース。
負けるか。
色々レンタル彼氏のこと聞き出すんだ。


「…伊織」


「え?」


「伊織はいつから働いてんの?」


「……」


少し考え込んだ伊織は、私からゆっくり視線を逸らした。



「15から」


「え?」


「……」


「15?」


「………なーんてな」



伊織は嘘、嘘~と手を上げてるけど、あのトーンは絶対嘘なんかじゃなかった。


本当なの……?
15から…?



今の私の年齢よりも早く?
< 73 / 813 >

この作品をシェア

pagetop