レンタル彼氏【完全版】
「はー、呆気ないのかなんなのか…」



和はそんな身近に伊織の情報が転がっていたことに感嘆の声を漏らした。

そういえば、たんぽぽ院を初めて知ったのは和の家に行く時だったな。



「まさか、あそこに伊織がいたなんてね」


近所だから、たんぽぽ院を和は知っていた。

だからこそ、驚きを隠せないらしい。



「しかも、泉がそこで働くだなんて」


「へへ」


「なんつうか、本当泉と伊織は運命だったとゆうか、赤い糸で結ばれてるとゆうか」


腕を組みながら、半ば呆れたように言う和。


そう言うけど、そんな私を陰ながらずっと応援してくれてたのは和なこと知ってる。




「諦めなかったのは和のお陰かも」


「いや、私何もしてないから」


「ううん、一緒に信じてくれた」



そう、和は伊織と出会えることを一緒に信じてくれた。

聖から伊織のかもしれない連絡先を貰った時、喝を入れてくれた。




だから、伊織を好きでいようって強く思うことが出来たんだ。



六年だなんて、バカげた年月。
和だけが最初から最後まで支えてくれてたから。
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