レンタル彼氏【完全版】
「そんな早くから伊織は女の人の相手をしてたの?」


ケラケラ笑ってた伊織の顔は、私の言葉を聞いた途端真顔になった。
そして、私を見る目はナイフの様に鋭い。


「泉、何知りたい?」


「え?」


「俺の何知りたいの?」


「…………」


何って。


全部だよ、全部。
伊織がどうしてこんな仕事しようとしたのか。
そのお金を何に使ってるかとか。
彼女はいたのかとか。
いたら、この仕事のこと言ってるのかとか。




伊織は謎が多すぎて、聞きたいことたくさんありすぎて。


何を知りたいと聞かれても、どれから聞いていいかわからなかった。


顔をしかめたまま、悩む私に伊織が嘲笑しながら言った。



「…俺のこと知りたいならホテル行けばすぐだよ」


「…………え?」




頭が真っ白になった。
一瞬、伊織が何を言ってるのか、わからなかった。

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