レンタル彼氏【完全版】
「貴方が泉の恋人ね?!」


しゃがみこむ俺の胸ぐらを掴むと、力任せに持ち上げる。
俺は立て膝になりながら、優しそうなその女性を見た。
泉の母親は俺を涙目で睨み付ける。



「なんでっ、なんで!なんで泉がこんなことに?!
代わって、あんたが代わってよ!!!」



事情をきっと、聞いたのだろう。


泣き崩れながら、俺を色々罵った。


それを後ろから、父親が抑える。





「泉が死んだら、ただじゃおかないわよっ!!
あんたも、あの男も許さない!!!」







………………俺の罪。







「……………さ、い」




ぽつりと。






「…ごめん、な、さい」




ぽつりと、俺は言った。





「ごめんなさいじゃないわよ!!」



まだヒステリーを起こす、母親に俺は。






「泉。い、ずみがっ。
ごめんなさいっ、俺が俺の所為で!!

泉は悪くないのに!!

嫌だ、嫌だ!


泉、行かないで!

一人にしないで!!!
一人は、嫌だーー!!!」




俺は床に額をつけながら、泣き叫んだ。
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