レンタル彼氏【完全版】
【泉、暇ー?】
何だ、これは。
伊織はなんなんだ。
こんなに胸を締め付けられて、眠れなくて保健室いんのに。
…………………
ムカつく。
こいつ、まじでムカつく。
カチカチ…
伊織の何もなかったような態度に腹が立った私は、フンっと鼻息を鳴らしてメールを打つ。
送信ボタンを押すと、今度こそ寝ようと目を閉じた。
途端に携帯が震える。
めんどくさそうに開くと伊織からの着信だった。
「は?!えっと…」
いきなりの着信に動揺して、取るかどうするか迷ってしまった。
伊織には
【暇じゃないです、これからこの先一生。】
ムカついたからそう、書いてやったんだ。
このまま伊織に会えないなら、もうそれでいいと思った。
このまま、伊織と会ってたら私はおかしいぐらいにはまりそうな気がする。
だから、いい機会だなんて思って。