レンタル彼氏【完全版】
「…泉」


ゆっくりと伊織の顔が私に近付いてくる。
と、同時に私はゆっくり目を閉じた。


その後、伊織から軽いキスを受けた。



「…泉」


私の名前を反芻する伊織。


「いいのか?」



いきなりの問いに、私は閉じてた目を見開いた。
伊織を見るが、表情を変えず私を見降ろすだけ。


…突然、何を言うんだ。



ここに連れてきたのは伊織だ。
受け入れろと言ったのは伊織だ。
押し倒したのは伊織だ。



それに。



いくらでも断れた状況で、それを受け入れたのは私だ。



「…いい、いいよ」



それだけ言うと、今度は私から伊織に唇を重ねた。


伊織は目を真ん丸くしながら、ふっと笑うと私の首元に顔を埋める。



「……っ」




触れるか、触れないかぐらいのキスを何度も何度も伊織は首筋に降らせた。



そう、思ったかと思うと急に強く吸い上げる。



それに従順に体は反応した。
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