レンタル彼氏【完全版】
こんなものなのか。


周りが言うような痛みもなかったし。
そこまで溺れるほど気持ちいいとも思えなかった。



至って、普通。
…それとも、伊織からの愛がないからなのだろうか。

これはただの性欲処理だから?



ぽけーっとそんなことを考えていると、シャワーを浴びた伊織がタオルを腰に巻いて浴室から出て来る。
伊織はそのまんまの私を見て、ぎょっとしていた。


「泉、服ぐらい着てろよ」


「ああ…」



洋服忘れてた。

私はのそっと下着だけ取ると、何も身につけてない姿から下着姿になった。


「………ずっとぼーっとしてたの?」


「え?」


いつの間にか、伊織は隣に来ていて石鹸の匂いをふわりとさせる。
それにドキッとしながら伊織を見た。
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