建築散歩
ひらりと一人現れた女は、ステンドグラスの展示を見終えるとすぐに
そうして建物を見渡していた。
受付の若い男の子は 訝しげに だが 話しかける間をまだ掴めずに 女を見ていた。
私はテーブルにある感想ノートを見つけると 椅子に座り 書き始める。
空間とノートを 交互に見つめながら
散歩中に来たのだとそこへ記した。
男子は ここぞという感じで声をかけてきた。
『ありがとうございます!お茶でもいかがですか?』
『あ、頂きます』
そして若い彼は背を向けそそくさと紅茶を入れ始めた。
そして私の方へ振り返ると
気品の漂う、中世に愛用されていたような上品なカップを
私の前に置いた。
そして温かい紅茶の湯気を立ち上らせながら
彼は言う。
『この紅茶、僕のお気に入りなんです。先日そこのお店で見つけて飲んでみたら、とっても美味しくって。だからここ(会社)にも持って来たんですよ。天の紅茶って言って…』
『私も知ってる!私がよく行くカフェにもあるの。美味しいよね』
『そうですか!美味しいですよね』
志の高そうな強い瞳が、無邪気に笑った。
そうして建物を見渡していた。
受付の若い男の子は 訝しげに だが 話しかける間をまだ掴めずに 女を見ていた。
私はテーブルにある感想ノートを見つけると 椅子に座り 書き始める。
空間とノートを 交互に見つめながら
散歩中に来たのだとそこへ記した。
男子は ここぞという感じで声をかけてきた。
『ありがとうございます!お茶でもいかがですか?』
『あ、頂きます』
そして若い彼は背を向けそそくさと紅茶を入れ始めた。
そして私の方へ振り返ると
気品の漂う、中世に愛用されていたような上品なカップを
私の前に置いた。
そして温かい紅茶の湯気を立ち上らせながら
彼は言う。
『この紅茶、僕のお気に入りなんです。先日そこのお店で見つけて飲んでみたら、とっても美味しくって。だからここ(会社)にも持って来たんですよ。天の紅茶って言って…』
『私も知ってる!私がよく行くカフェにもあるの。美味しいよね』
『そうですか!美味しいですよね』
志の高そうな強い瞳が、無邪気に笑った。