−大切な過去−
「なんでバレたの…?」

あたしは必死になり、頭が回らなかった。

「携帯にプリクラ貼っとって…それを見られたっちゃん…」

「そっか…」

他に何て言えばいいのか分からなかった。

たっちゃんの言葉を待つしかなかった。

「親が別れろって…おふくろがパニック起こしてさ…」

別れろ!?!?
嫌だ!!
絶対に…

たっちゃんは電話の向こうで泣き出した。

「まだまだ愛し足りねえよ…!親うぜえ…」

嘘だと言って欲しかった。

そんな時にお父さんから電話が来た。

「ごめん…キャッチきちゃったからまたかけ直す…」

一方的に切り、お父さんの方の電話に出た。

どうせお父さんも別れろと言うんだろう。

「お前、たっくんいくつか分かっとるや?もうすぐハタチやぞ?今すぐ別れろ」

あたしはずっと怒鳴られた。

お父さんはこの頃、退院してお母さんと別居していた。

「今からたっくん殴りに行く。」

そう言い出した。
< 41 / 73 >

この作品をシェア

pagetop