−大切な過去−
電話は切った。

「あんた…もう…」

お母さんは呆れていた。

すぐにたっちゃんに電話をかけた。

「たっちゃん…」

たっちゃんは何も言わず泣いていた。

「別れなきゃなんなくなった…ほんとにごめん…」

あたしはこの時実感がなかった。

「あたしもお父さんに色々言われちゃった…謝らんでよ!」

「うん…かなた、愛してる…」

たっちゃんはずっと泣いていた。

「俺別れたくない…」

「しょうがないよ…別れても、ずっと大好きだから」

「俺もだよ…今までありがとう」

たっちゃん、もう泣かないで…

今までありがとうなんて言わないで…

「たっちゃんありがとう。愛してる。」

「おう…かなたから切って…じゃないと俺諦めきれない…」

この電話を切ってしまうと終わり。

嫌だよ…

大好きだよ…

「…ん。」

ップーップーップー

終わった。
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