『世界』と『終』 ——僕がきみを殺したら——
家電量販店の店頭に並べられた大型テレビが、夕方のニュースを映している。
アフリカのどこかの国で、内紛が続いているらしい。
アナウンサーが淡々と犠牲者の数を告げる。
病院の映像に切り替わる。血のにじむ包帯を巻き、生気のない目をした子どもたちがベッドに横たわっている。手足が欠けている子の姿もある。
テレビの前を、帰宅をいそぐ人の群れが足早に通り過ぎてゆく。
店員たちはメガホンで声をからして、商品の宣伝に必死だ。
自分の命と他者のそれは、まったく等価ではない。
画面のむこうの遠い国の人の生死より、今晩のおかずのほうがが気になるのが人間だ。
彼らと僕のあいだにはどれほどの差があるのだろう。
アフリカのどこかの国で、内紛が続いているらしい。
アナウンサーが淡々と犠牲者の数を告げる。
病院の映像に切り替わる。血のにじむ包帯を巻き、生気のない目をした子どもたちがベッドに横たわっている。手足が欠けている子の姿もある。
テレビの前を、帰宅をいそぐ人の群れが足早に通り過ぎてゆく。
店員たちはメガホンで声をからして、商品の宣伝に必死だ。
自分の命と他者のそれは、まったく等価ではない。
画面のむこうの遠い国の人の生死より、今晩のおかずのほうがが気になるのが人間だ。
彼らと僕のあいだにはどれほどの差があるのだろう。