『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
僕たちのクラスの担当教師の手によるものではない。

他の化学教師が作ったものが、資料として配られたのだ。

内容は悪くないと思うのだが、いかんせん汚い手書きに読む気がそがれる。捨てないでおいてよかったというところか。


ルーズリーフとプリントを並べてみる。


「似ていますね」
西森がつぶやく。


筆跡鑑定の心得はないが、「か」の特徴的な書き方は、はっきりと酷似している。


「特に『か』が」

西森も同じことを思ったようだ。

自分の鞄の中から、ペンケースとノートを取り出す。器用に『か』を真似て書いてみせた。
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