『世界』と『終』 ——僕がきみを殺したら——
カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ、カチコチ・・・・・————
耳を圧する秒針の足音のなかで、指は別個の意志をもつ生き物のように動き、曲がり、伸びる。
目覚まし時計と、その針に巻かれたコードをめざす。
頭蓋が割れるかのような脈動と、秒針が刻をけずる音がかさなる。
関節の限界をこえて伸ばされた中指の先が、目安針から伸びるコードに触れる。
爪の先でひっかけ、寄せたところを薬指と中指ではさみ、詰めた息を吐いて、引く。
針をわずかにぶれさせながら、コードがぷつりとほどける手ごたえがつたわる。
するすると手中に引き寄せる。
と、カチッと目覚まし時計内部から作動音が響く。
つづいて、ジリリリリリ・・・・・けたたましく、目覚ましのベルが響き渡る。
12時だ。
爆発は起こらない。
西森は、まぶたを閉ざしていた。
耳を圧する秒針の足音のなかで、指は別個の意志をもつ生き物のように動き、曲がり、伸びる。
目覚まし時計と、その針に巻かれたコードをめざす。
頭蓋が割れるかのような脈動と、秒針が刻をけずる音がかさなる。
関節の限界をこえて伸ばされた中指の先が、目安針から伸びるコードに触れる。
爪の先でひっかけ、寄せたところを薬指と中指ではさみ、詰めた息を吐いて、引く。
針をわずかにぶれさせながら、コードがぷつりとほどける手ごたえがつたわる。
するすると手中に引き寄せる。
と、カチッと目覚まし時計内部から作動音が響く。
つづいて、ジリリリリリ・・・・・けたたましく、目覚ましのベルが響き渡る。
12時だ。
爆発は起こらない。
西森は、まぶたを閉ざしていた。