『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
いきなり高校生の女の子の親代わりといわれて・・・迷いましたけどね。

それまで顔を合わせたこともない、自我も確立しつつある年頃の、それも心に傷を負った女の子ですから。
ペットを引き取るのとは、わけが違います。


主人と話し合って、会うだけ会ってみようと。そうして、この子に、世界に面会したんです。



会ってしまったらもう、断るなんてそんな考えは浮かばなかったです。

抱きしめてあげたい。目を見た瞬間、そう思いました。


身元引き受け人になってもらえれば、一人でアパートを借りて暮らしてゆける、迷惑はかけない。
そう弁護士さんはおっしゃったんですけどね。うちに引き取ることに決めました。


西森を見つめる彼女の目には、にごりのない愛おしさがこめられている。
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