Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「社長、ちょっとよろしいでしょうか」
「ああ、どうした」
中野先輩と話した内容を話し、自分がこの仕事をやりたいと伝えた。
「いいだろう。中野工房と上手く連携をとって仕事を進めるように」
「はい」
デスクに戻り、さっきもらった資料に目を通していると、複数から視線を感じる。その方向を見ると、複雑な表情の涼太となんとも楽しそうな顔の松下さんがいた。何、この2人。少し怖いのと、若干気持ち悪いと思った。
その日の夜、駅前にあるイタリアンのお店で夕飯を涼太と食べている時だった。涼太は不機嫌で、事務所から駅へ向かう途中も口数が少なく、微妙な空気が流れていた。
「あのさ」
パスタをフォークに巻きつけながら、涼太が口を開いた。
「うん、何?」
「中野工房の代表の中野社長のことを、中野“先輩”って呼んでたよな。知り合いなの?」
不機嫌の理由がやっとわかった。でも、困った。大学時代の元彼です、とは言えない。この前のことだって元彼とのいざこざだし、そして今度の仕事相手がまた元彼。これじゃ、私が恋多き女みたいだし。私が付き合った人の数なんて片手で余るくらいなのに。
「大学時代の先輩だよ」
初めて涼太に嘘をついた。
「そっか」
涼太はそれ以上何も言わず、パスタを口に入れた。
「ああ、どうした」
中野先輩と話した内容を話し、自分がこの仕事をやりたいと伝えた。
「いいだろう。中野工房と上手く連携をとって仕事を進めるように」
「はい」
デスクに戻り、さっきもらった資料に目を通していると、複数から視線を感じる。その方向を見ると、複雑な表情の涼太となんとも楽しそうな顔の松下さんがいた。何、この2人。少し怖いのと、若干気持ち悪いと思った。
その日の夜、駅前にあるイタリアンのお店で夕飯を涼太と食べている時だった。涼太は不機嫌で、事務所から駅へ向かう途中も口数が少なく、微妙な空気が流れていた。
「あのさ」
パスタをフォークに巻きつけながら、涼太が口を開いた。
「うん、何?」
「中野工房の代表の中野社長のことを、中野“先輩”って呼んでたよな。知り合いなの?」
不機嫌の理由がやっとわかった。でも、困った。大学時代の元彼です、とは言えない。この前のことだって元彼とのいざこざだし、そして今度の仕事相手がまた元彼。これじゃ、私が恋多き女みたいだし。私が付き合った人の数なんて片手で余るくらいなのに。
「大学時代の先輩だよ」
初めて涼太に嘘をついた。
「そっか」
涼太はそれ以上何も言わず、パスタを口に入れた。