Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「なんかビックリだよな。松下さんの結婚」
電車から降り、私のアパートに向かう道。手をつなぎながら、松下さんたちのことを話していた。
「うん」
「たまに『結婚したらどうですか』みたいなことは、松下さんに言ってたけどさ。こんなに早く結婚するとは思わなかったな」
涼太は空を見上げながら言った。
「そうだね。でも、松下さんと野沢さん、同棲しているからかもしれないけれど、どこから見ても夫婦だったよね」
「うん。でも、あの2人から見ると俺達も夫婦みたいらしいね」
その言葉で、さっきの野沢さんの言葉を思い出して、顔が熱くなる。涼太の方を見ると、こっちを見て笑っていた。
「着いたぞ」
アパートのエントランス前に着き、手を離した。
「寄っていかないの?」
いつもはコーヒーを飲んでから帰るのに、今日は違うらしい。
「ああ、今日はいいや」
「明日も休みなんだし、寄っていきないよ」
「いや、俺、酒が入ってるし。何ていうか、そのいろいろな事情というか。とにかく今日は帰るよ」
また、涼太に気を遣わせてしまった。私が踏み出さないと……。背を向けた涼太の前に回り込んだ。
「涼太、その、大丈夫だよ。大丈夫だから。涼太、あのことがあったから、気を使ってくれたんだよね」
涼太は何も言わず、私を見つめる。恥ずかしくても、言わなきゃ伝わらない。
「帰っちゃ、やだ」
精一杯の勇気を振り絞って、声を出した。
「俺も帰りたくないよ」
涼太の温かい手が私の手を握った。
電車から降り、私のアパートに向かう道。手をつなぎながら、松下さんたちのことを話していた。
「うん」
「たまに『結婚したらどうですか』みたいなことは、松下さんに言ってたけどさ。こんなに早く結婚するとは思わなかったな」
涼太は空を見上げながら言った。
「そうだね。でも、松下さんと野沢さん、同棲しているからかもしれないけれど、どこから見ても夫婦だったよね」
「うん。でも、あの2人から見ると俺達も夫婦みたいらしいね」
その言葉で、さっきの野沢さんの言葉を思い出して、顔が熱くなる。涼太の方を見ると、こっちを見て笑っていた。
「着いたぞ」
アパートのエントランス前に着き、手を離した。
「寄っていかないの?」
いつもはコーヒーを飲んでから帰るのに、今日は違うらしい。
「ああ、今日はいいや」
「明日も休みなんだし、寄っていきないよ」
「いや、俺、酒が入ってるし。何ていうか、そのいろいろな事情というか。とにかく今日は帰るよ」
また、涼太に気を遣わせてしまった。私が踏み出さないと……。背を向けた涼太の前に回り込んだ。
「涼太、その、大丈夫だよ。大丈夫だから。涼太、あのことがあったから、気を使ってくれたんだよね」
涼太は何も言わず、私を見つめる。恥ずかしくても、言わなきゃ伝わらない。
「帰っちゃ、やだ」
精一杯の勇気を振り絞って、声を出した。
「俺も帰りたくないよ」
涼太の温かい手が私の手を握った。