Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「なんか不思議だな」
「何がですか?」
「俺たちがこういうお店で食事しているの。学生の頃はファミレスか居酒屋以外はあり得なかったからな」
「そうですね。学生だったんですから、それが普通ですよ」
あの頃は2人でよくファミレスや居酒屋に行っていた。レポートや課題を一緒にしたり、バイトで貯めたお金を使って遠出する計画を立てたりして、何時間もそこに居た。
「なあ、佐伯は今、付き合ってる人いるのか?」
「え?」
「彼氏、いる?」
「はい、いますよ」
「そっか。まあ、佐伯みたいに美人で頭のいい女を放っておかないよな」
私は曖昧に笑って、何も答えなかった。中野先輩が好奇心や会話の糸口を見つけるために言ったのではないぐらい、表情と声のトーンでわかってしまったから。
もし、涼太がいなければ、私はこの言葉を喜んでいたと思う。そう思えたしまった自分がひどく嫌な女に思えた。
「何がですか?」
「俺たちがこういうお店で食事しているの。学生の頃はファミレスか居酒屋以外はあり得なかったからな」
「そうですね。学生だったんですから、それが普通ですよ」
あの頃は2人でよくファミレスや居酒屋に行っていた。レポートや課題を一緒にしたり、バイトで貯めたお金を使って遠出する計画を立てたりして、何時間もそこに居た。
「なあ、佐伯は今、付き合ってる人いるのか?」
「え?」
「彼氏、いる?」
「はい、いますよ」
「そっか。まあ、佐伯みたいに美人で頭のいい女を放っておかないよな」
私は曖昧に笑って、何も答えなかった。中野先輩が好奇心や会話の糸口を見つけるために言ったのではないぐらい、表情と声のトーンでわかってしまったから。
もし、涼太がいなければ、私はこの言葉を喜んでいたと思う。そう思えたしまった自分がひどく嫌な女に思えた。