Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「中野先輩、ごちそうになってしまい、すみません」
「いいんだよ。仕事とは言え、俺が誘ったんだし」
フランス料理店を出て、駅に向かいながら並んで歩く。
並んで歩くか。
大学生の頃は、中野先輩は歩くのが早くて、私はいつも半歩後ろを歩いていた。そして「もっとゆっくり歩いて」と言って、服の袖を引っ張るというのが日常だった。
私が歩くのが早くなったのか、それとも中野先輩がゆっくり歩くようになったのか、どちらかは分からないけれど、あの頃の私と中野先輩はもう居ないんだ。
「いいんだよ。仕事とは言え、俺が誘ったんだし」
フランス料理店を出て、駅に向かいながら並んで歩く。
並んで歩くか。
大学生の頃は、中野先輩は歩くのが早くて、私はいつも半歩後ろを歩いていた。そして「もっとゆっくり歩いて」と言って、服の袖を引っ張るというのが日常だった。
私が歩くのが早くなったのか、それとも中野先輩がゆっくり歩くようになったのか、どちらかは分からないけれど、あの頃の私と中野先輩はもう居ないんだ。