Sweet Room~貴方との時間~【完結】
――8年前――
私は2つ上の先輩と付き合って1年が経っていた。大学2年の私と大学4年の先輩。
先輩の就職活動が忙しくなり、先輩と一緒に居る時間はどんどん減っていた。寂しいと思うことはいっぱいあったけれど、それを言うことはできない。だって、恋人と就職活動、この2つを天秤にかければ、誰だって就職活動が勝つ。だから少しでも会えればそれでいいと思っていた。それは先輩が大学を卒業しても。
「佐伯、就職先決まった」
「本当ですか。おめでとうございます! どこに決まったんですか?」
私も先輩も都内に住んでいて、大学も都内。だから就職先も都内の建築事務所だと思っていた。
「野田治生(のだはるお)」
「えっ?」
「俺が好きな建築家の野田治生、知ってるよな?」
「はい」
「その人の事務所に就職したんだ」
私は2つ上の先輩と付き合って1年が経っていた。大学2年の私と大学4年の先輩。
先輩の就職活動が忙しくなり、先輩と一緒に居る時間はどんどん減っていた。寂しいと思うことはいっぱいあったけれど、それを言うことはできない。だって、恋人と就職活動、この2つを天秤にかければ、誰だって就職活動が勝つ。だから少しでも会えればそれでいいと思っていた。それは先輩が大学を卒業しても。
「佐伯、就職先決まった」
「本当ですか。おめでとうございます! どこに決まったんですか?」
私も先輩も都内に住んでいて、大学も都内。だから就職先も都内の建築事務所だと思っていた。
「野田治生(のだはるお)」
「えっ?」
「俺が好きな建築家の野田治生、知ってるよな?」
「はい」
「その人の事務所に就職したんだ」